2018年1月23日火曜日

所謂(いわゆる)「ムーミン問題」について【長文】

こんにちは、金蘭千里です。


今日は長文にお付き合いください。


センター試験も終わり、受験生はいよいよ2次試験に向け最終段階のちょうせいをしていることとおもいます。一方、小学生は受験もほぼ終わりどこの学校に行こうか決めた、もしくは迷っているのかもしれませんね。


その、センター試験の中で、今年は地理の問題で世間を騒がすちょっとした騒動が持ち上がりました。きっかけは、その一問の中に、ムーミンに関する問題が出て、そのせいで100点取りそびれたとツィートした受験生がいたことで、そんなマニアックな知らないこと出すなんて、ひどいとか、アニメまでべんきょうしなければならないのか、などなど非難轟々(ひなんごうごう)です。


なんと、マスコミまで内容を吟味せずに騒ぎ出す始末。


翌日にならないと問題が手に入らないので断定はできませんでしたが、私はムーミン知らなくても解ける問題のはずと思っていました。申し訳ないけど、悪口になってしまうことを承知で言わせてもらうと、非難すればするほど自分の「知恵のなさ」(知識のなさでないことに注意!)を露呈してしまうことになるのに。マスコミも無知すぎる。というのが正直な気持ちでした。フィンランドの協会もムーミンが有名でないことを嘆いたと書いた記事もあり、何を的なずれな見解をしているのか、とも思いました。


 私がそこまで言うのには、過去の例があるのです。実は、センター試験は去年もジバニャンとげげげの鬼太郎が出ていましたが、それはあくまでも話の枕でした。それ以前にも、例えば作曲家と音楽の種類をリード文にして、そんなこと知るか!!と受験生が突っ込みを入れたくなるような問題を出していました。けれど、それはいつも知らなくても解ける問題、知っていれば更に正解の助けになる程度のものでした。ですから、私は常々、選択生には、一見、見たこともないような数式を出して何とか係数によるデータだと言われてもひるむな、本当に聞きたいことはそこにはない。なぜなら、全ての受験生が知らないことだから、知らなくても解けるはずだからと言い聞かせてきました。


 翌日、実際の問題を見ると、果たして思ったとおりでした。ただし、今年はちょっと難しく、アニメーションの舞台の国を答えさせるので、なおさら知らないと戸惑ったのでしょう。出題の内容は、ニルスのふしぎな旅、ムーミン、小さなバイキングビッケの舞台の国とそれぞれの国の言語を答え、その組み合わせとして正しいものを答えるというものでした。


 実は、言語に関しては随分前にポーランド語、英語、スペイン語、イタリア語、フランス語、ドイツ語を並べ、ポーランド語はどれか答えさせるという問題が無味乾燥な表になって出題されたことがあります。それより、挿絵が入って面白いと思うのですが。その時も、今回も、受験生の中の何人がこれらの言語を読みこなせると思いますか?できないのはみな同じなのです。ということは、聞かれていることは、みんなが授業で習う原則、「同じ語族、親戚関係の言語は似ている」ということと、フィンランドとノルウェーとスウェーデンでは、「フィンランドだけがアジア系で仲間はずれ、どちらかというと日本語の方が近い」という2つの知識があればできるはずということなのです。
 
 問題を見ると確かにニルスの方の言語に似ているものと似ていないものがあります。しかも、似ていない方が、トナカイのおまけつき。これもラップランドでトナカイの遊牧をしている(これも授業で習います)とか、フィンランドにサンタクロースの本部があるということを知っている(これは習いません)と更に、有利ですが、別に知らなくても授業の知識だけで解けます。
 
 そこで本題の、どちらがどこの国?ということになり、どうしても知っているムーミンの方に目が行きそうですが、ムーミンがフィンランドの伝説や民話をもとにしたものだと知らないのなら、もっと頭をひねらないといけません。そう、ここで着目すべきなのは、実は、ビッケの方なのです。ビッケなんて知らない!!!という声が聞こえてきそうですね。
 
 はい、知らなくて結構。ビッケが誰なんてどうでもいいんです。目をつけるべき言葉は「バイキング」つまり、北欧の海賊です。バイキングが北欧3国(ノルウェ―、スウェーデン、デンマーク)のものだと知っていれば、ラッキーですが、もし知らなかったとしても、常識的に考えて、海賊が半年以上も凍った海にいて仕事になると思いますか?ここで、授業で習う知識が登場します。そう、大西洋には暖流である「北大西洋海流」が流れていて、一年中凍らない海がある。ということ。バルト海は凍るから、だからスウェーデンの鉄鉱石は夏は自国の港、バルト海のルレオから積み出せるけど、冬はノルウェーの港のナルヴィクから積み出すということ。ほら、これなら習った知識ではないですか。


 つまり、この問題はイラストでいろいろなヒントも与えてくれながら、授業で習った知識で解ける問題なのです。マスコミが騒ぐような、変な問題などではなく、ある意味、応用力を試す問題であると言えます。センターの問題は落ち着いて読み解くと、必ず授業で習うことしか聞いてこないということが分かれば、本当は何を聞きたいのかをかんがえましょう。


 数年後には、センター試験が廃止され新しい形式になりますが、知識偏重でなく考えさせる問題にすると言っています。おそらく、このような問題やもっと自分の知っている知識をどう使うか試す問題が出されると予想されます。見た目にとらわれて的外れなツイートをするより、知恵を発揮する訓練をしましょう。


 問作者の意図か、偶然かどうかわかりませんが、ビッケは日本の一休さんのように、海賊たちが窮地に陥った時に知恵を働かせてみんなを助けるお話でした。金蘭の生徒たちも、どんな難問にも立ち向かって知恵を働かせ、問題解決のできる人になって欲しいと思います。




本日もブログにお越しいただきありがとうございました。